来世のワイに期待大

二次元と思ったこと

流星*ファンタジア感想(全般的なやつ)

 

 一通りプレイしたので、思ったことをまとめておきます。

 核心的なネタバレはないかと思いますが、多少は含まれる箇所がありますので、未プレイの方でネタバレを避けたい方はご注意ください。

 全般的な感想だけ書いたので、個人のルートに関する感想についてはまた別途記事を書こうと思っています。

 

 ちなみに脳直のプレイ実況もあるので興味のある方はぜひ。こちらはネタバレしかないのでより一層ご注意ください。(ぷらいべったーログイン限定です)

privatter.net

 

 

はじめに

 Bプロくん待望のコンシューマーゲームで、彼らの過去がようやく明らかになるということで、界隈では期待でいっぱいだったかと思いますが、正直私は「ゲーム…そんなに楽しみじゃない…」という気持ちも抱えながら発売日までの日々を過ごしていました。(そんなんだから発売延期になった時むしろほっとした。)

 

理由

・過去を知ったら解釈違いで彼らのことを好きじゃなくなるかもしれないから。

・ストーリーがいまいちだったらもう立ち直れないから。

・Bプロのことを現実アイドルと同一視しており、自分の立ち位置はあくまでも「ファン(ベイビーちゃん)」であると思っていたため、ゲームをやることで「A&R=関係者」の視点に立ってしまうことが恐ろしかったから。

・ほら、関係者は知っていても、ファンは知らなくていい過去とかあるじゃないですかきっと…。

・関係者の視点に立ってしまうと、彼らが急に現実アイドルから2次元アイドルになってしまう気がしたから。

・いや、2次元アイドルなんですが、なんというか気持ちの問題で…。

 

 オタク、めんどくさいね…。

 

 その結果がどうなったかは、この記事を一通り読んでいただけるとなんとなくわかるでしょう。

 

いや~、ストーリーよかったな~~~~~!!(万歳)

 シンプルな感想を言うとこうなってしまいます笑 語彙力…

 これは例のライターさんがお一人で書き上げたのでしょうか…?一人ですべて書くのは大変なのでは…?と思う一方で、一人で書いた方が一貫性があって矛盾の少ない話ができると思うので、お一人で書いたのだとしたら本当にありがたい限りです。

 何がよかったか頑張って噛み砕いていきますね。

 

価値観が令和だった!!

 もうね、これが一番よかったです。ソシャゲ含めノベルゲーは「いやいやこの発言はないっしょ…」と思ってしまうことがままあるのですが、流ファンくんはほとんどなかったのでよかったです。価値観が前時代的だったせいでう~~~んとなるのが個人的には一番残念なので、他の細かいことは置いておいてもこれだけはちゃんとしていたのは本当によかったです。

 お!と思ったことを箇条書きにしておきます。

 

・夜叉丸さんがオネエキャラであることに誰も突っ込まずに受け入れている。(特につばさちゃんの初対面の時に、一昔前のゲームだったら「(この人…男性…?女の人みたいな喋り方するなぁ…)」みたいな心の声が入ってもおかしくなかったと思う。

・夜叉丸さんのことをふざけて「ママ~!」と呼ぶシーン、平等(?)にその後「パパ~!」も入る。

・男性が化粧をすることを否定しない。(アイドルだから慣れてるのかもだけど)

・竜ちゃんがついに愛染に対して「女の子とか男の子とか関係なくない?」と言う。

・A&R、どうしてもブラック労働になりがちな職種だと思うけど、上司やメンバーが労働時間について考慮してくれる。(なお、本当に休めているかどうかは別として)

・仕事の区分けがしっかりなされている。どこまでがA&Rの仕事で、どこからは自分の範疇外なのかが明確。それを自分や夜叉丸さんが理解しているのは当然として、メンバーも理解しているのがよかった。(これはつばさちゃんの仕事じゃないよね?とわかっていた)

 

などなどです。なんか、コンプラとかいろいろ配慮されてるんだろうな…という気持ちになりました笑

 

みんなが優しかった

 プレイヤーもメンバーも、主要登場人物はみーんな優しい心の持ち主だったのが本当に…。現実だとこうもうまくいかないと思うけど、二次元だからこれくらい綺麗に書いてくれたのはありがたかったです。おかげで誰一人嫌いにならずに済んだので…。(その代わり、この場限りのモブキャラには時々う~んな人がいた印象)

 いろいろ大変なことは起こったんですが、みんなの行動の原動力がほとんど「自分ではない他の誰かを思って」のことなんですよね…。それが必ずしもいい結果をもたらしてくれるわけではなく、むしろ一層事を深刻にしてしまった選択もあったのですが、それが決して個人のワガママではなく、他の人のためを思ってやったことだから、見ていて「お前が悪いやん」という気持ちにならずに済んだと思います。

 一方で、「誰かのためを思って」は所詮自分のエゴで、自覚しているにせよ無自覚にせよ、とりあえず自分のせいにしておけばいいと思考停止して本質から目をそらしているのでは…という視点で見ることもできるのではないかと思うのですが、それはそれで深い話だよなあ…と、人生って難しいよなという感想を抱きました。

 

問題が根底から解決するとは限らない

 特に金城、愛染、釈村の話を見て思ったことですが、問題を綺麗に解決しないストーリーというのが、リアリティがあって面白いなと思いました。

 まず金城ですが、この物語内で一度沈静化した問題が、あとからまた再燃してしまうという構成。やられたな~という感想です。小手先だけの解決方法で片付けるんじゃなくて、「自分自身がどうしたいのか」、根本から見つめ合うことの大切さを痛感しました。この件に関してはきっと一生つきまとうことになるんだろうし、根も葉もない噂、ネットなどでの誹謗中傷はメンバー全員が必ず直面することになる問題で、残念だけど完全になくなることはないことだから、これからもどうかうまく付き合っていってほしい…という気持ちです。

 愛染と釈村に関しては共に父親の話になりますが、問題の内容は違えど、どちらも「人は簡単に変わらない」、また「他人を変えることはできない」という現実を改めて突きつけてくれたなと思いました。人が本当に変わるには、「本人の変わりたいという強い意志」と「価値観をひっくり返されるくらいのショックな出来事」の両方が必要だと思うのですが、これは年を取れば取るほど難しくなっていくんですよね…。だから、2人とも話をしたところで根本的な解決のような形には至らなかった。そこがね、本当にリアルだな…と鳥肌が立ちました。あと、さらにスゲーなと思ったこととして、愛染も釈村もそのことを理解しているんだろうな…と感じられたこと。まだ20歳なのに、悟ってるなあと思います。さとり世代じゃなくてミレニアル世代かと思っていたのですが、もはやさとり世代以降の人たちはみんな悟っちゃってるんでしょうか?

 それはさておき、物語の展開上、この2つの問題をまるでアニメの最終回のように綺麗に解決するという展開にすることも不可能ではなかったと思うのですが、あえてそれをしなかったのがよかったなと思います。そういうご都合エンドにしないで、問題も抱えながらも生きていく、という終わり方にしているのが美しいなと思ったので…。(まあ、もしかすると今後の展開で再び火を噴かせるために種として残しているのかもしれませんが笑)

 

物語のためにキャラクターが動くのではなく、キャラクターに合わせて物語が動く

 前段と前々段でつらつらと書いたことと絡むのですが、「こういうストーリー展開にしたいからこのキャラにはこう動いてもらう」というより、「このキャラはこういう言動をするだろうから、物語がこのように進む」という感じに書かれているのを強く感じました。キャラクターを大事にしてくれたからこそ、解釈違いを起こすこともなく済んだのだと思います。

 もちろん、今までにない一面を見せてくれたメンバーもいましたが、それも突拍子のない展開というわけでもなく、「確かにこの子ならこういう一面もあったかもしれない」と納得できるレベルのことだったので、うまく受け入れられたのかなと。

 それから、合理的に動ける子もいれば動けない子もいたり、自分の中での合理性はあるけど端から見るとまったくそうはなっていない子、いつもは合理的な選択ができるけれど窮地に陥ると冷静な判断ができなくなる子…などなど、人によってさまざまな反応を見せるのが興味深かったです。一見、「なんでこの行動をとったんだ?」「この子がこんな選択をするはずはないのに」と引っかかるような展開について、その理由を自分なりに解釈するのは楽しいし(正解はないのですが…)、すべてが合理的に動くのではなく微妙な揺らぎがあることで、人間としてのリアルさ、物語の展開の面白さが増してよかったなと思います。

 

ストーリー本筋以外のよかったなあポイント

声優さんのお芝居が天才

 これはもうとにかく聞いてくれとしかいいません。すごいです、マジで。

 ハナエクゥンもラジオでちらっとおっしゃっていましたが、キャラクターを長く演じてきた上で声を入れたゲームって、破壊力が半端ないんよ!しかもこんな多くの核心をついてくる内容で、めちゃくちゃ気持ちが入った芝居をフルボイスで聞けるなんて…こいつぁ~とんでもねぇゲームだよ…。

 欲を言えばつばさちゃんの心の声も声入れてくれればよかったなあ…。そうすればオートで垂れ流しにして、ラジオドラマのように耳だけで楽しむこともできるからよお…。

 

今までの曲が随所に出てくる

 過去の曲が使われるかどうかすらも気にしていなかったので、物語の中で曲が出てきてそれについて裏話のようなエピソードを聞けるのは楽しかったです。時間軸とかは気にしたらキリがないので、そこはスルーするのが吉です笑

 

快エブくんネタが時々出てくる

 あ~、これ過去にどこかで言ってたネタだな~…快エブくんかな?という台詞がちょこちょこ出てきて、アプリ時代を経験しているファンとしてはうれしくなるポイントかと。しかもそれがわからなくても話の本筋にはまったく影響のない箇所で入れてくるので、古くからのファンのためのお楽しみポイントだと思います。

 

まとめ

 あんなにゲームに怯えていた私ですが、プレイしたことでどうなったかというと…

 

 Bプロのことがもっと好きになりました

 

 あ~、めでたしめでたし!もちろん推しのTHRIVEのことはもっと好きになりましたしね、他のグループのことももっと好きになりました。個人個人の人間性にも触れて、彼ら一人一人のことがもっともっと好きになりました。

 シナリオの内容としてはなかなかキツい展開もあり、私はプレイ中何度も体調を崩したりもしたのですが、自分自身の人生についても振り返るいい機会になったと思っています。

 …流ファンってなんのゲーム?笑(正直、プレイ中「これなんのゲームだっけ…?え?Bプロ…?嘘でしょ…?」となること多数だった)

 

 さて、最後にオススメメッセージを残して終わりたいと思います。

 

Bプロが好きで応援している方へ

→ぜひプレイしてみてください!きっと推しのことがもっと好きになります。

 

かつてBプロに触れたことがある方へ

→プレイすると当時わからなかったいろんなことがわかって、かなりスッキリするかと思います笑 お時間があればぜひ!

 

他の2次元アイドルを応援している方へ

→Bプロは業界のリアルを描くことに力を入れているので、業界の裏側について他ジャンルに比べて詳細に描かれている印象です。プレイすれば自ジャンルの解像度も上がるかと思うのでぜひ!

 

ゲームはシナリオ重視の方へ

→このシナリオ、よくできてると思います…!ぜひプレイして確かめてほしいです。